山田商会HD、株式会社Liberawareとともに仁和寺でのドローン床下点検実証を実施
2025.04.21 ベンチャー連携
株式会社山田商会ホールディング
株式会社Liberaware
真言宗御室派総本山 仁和寺
株式会社山田商会ホールディング(本社:愛知県名古屋市、代表:山田豊久)は、2024年12月4日、株式会社Liberawareと連携し、世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺においてドローンでの床下/天井裏点検実証を行いました。
自然災害大国である日本は、地震をはじめとする様々な災害にも対応するレジリエンスが求められています。特に寺院のように「長く建物を使い続ける」ことが求められる建造物においては、床下や天井裏をはじめ、定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠となっています。
この度、小型ドローンを用いた床下点検の実証に協力いただいた仁和寺においても、寺院の点検および修繕に対しては、国の補助金等を活用し、建物ごとに設計士が現場を確認して修繕計画の仕様・概算見積を策定し、専門の資格を有する宮大工会社が現場を確認しながら修繕を行っています。そこで、実際に仁和寺白書院の修繕を行う宮大工の立ち会いのもと、ドローンでの点検を行い、その可能性について検証いたしました。
【実証の概要】
目的:小型ドローンによる床下/屋根裏点検の実現可能性検証
実証場所:仁和寺 白書院床下
床面積概算:196㎡(仁和寺白書院 建築面積)
使用機体:Liberaware社製IBIS2
点検箇所:床下および天井裏
点検必要時間:床下、天井裏各1時間
【実証結果のポイント】
- 小型ドローンによる点検は、設計士による仕様策定、宮大工による点検/修繕業務の両方で活用できる
- 床下点検においては、仕様策定時の事前確認作業の効率を高めることができる
- 屋根裏点検においては、事前確認作業に加え、状況確認および記録、寸法計測業務の効率化に活用できる
- 屋根裏点検では、従来4人で3日かけていた初期の確認作業をドローン活用により半日程度に短縮することが可能
◯各社のコメント
世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺
仁和寺ではこれまで、仁和寺の文化財が鑑賞できるオンライン特別サイト「御室デジタルミュージアムオンライン」の制作や境内の歴史的建造物「松林庵」を宿泊施設として活用する事業など、先人たちから受け継いだ建造物を含む文化を100年、200年先に伝えるために時代に応じた取り組みにより新たな付加価値を発信しています。各地域で古くから大切に守られてきた寺院の維持・管理は、その時代の様々な関係者の協力の元、日々効果的な方法を模索し、積み上げられてきたものです。この度の小型ドローンを活用した点検により、寺院の点検業務が効率化されることは既存文化財の維持だけでなく、新たな文化財の創出や技術の継承にもつながる取り組みだと考えています。
株式会社Liberaware
Liberawareが開発・提供する小型ドローン「IBIS2」は、主に「狭い・暗い・危険」なインフラ、設備の点検シーンで活用されてきましたが、今回の取り組みの中で、歴史的建造物の点検や改修工事時の現況調査においても、「人の危険な現場への侵入を回避」「点検、調査に必要な時間を大幅に短縮する」という観点で有効であることがわかりました。特に、改修工事に関しては、頻繁に行われるものではないことから過去のデータが無いことが多く、技術継承に必要な情報が十分ではないケースが多いと考えられます。小型ドローンの活用により、技術者間で共有しやすい動画や点群データを継続的に取得していくことが、重要な歴史的文化財を効率的に維持していくためにも大きな価値があると考えています。
株式会社山田商会ホールディング
山田商会は創業から120年もの間、ガス工事を通じて街や建物のレジリエンス向上に努めてまいりました。今回のLiberawareとの実証を通じて、従来の点検方法に比べて、作業性と安全性を共に高めることができると確認できました。古くから大切にされてきた文化財をデジタルデータとして残すことで、災害に対するレジリエンスを向上させるとともに、時空を超えてその価値を伝えられる可能性を感じました。
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社山田商会ホールディング (担当:木村利幸)
電話:052-871-9811 メール:yamada-hd@ymax.co.jp